「親知らず」のしょーもない話



日々の生活の中に緑があると言うのはとても気持ちがいいものだ。
手入れが簡単なハーブの類でさえ枯らしてしまう特技の持ち主の私でも、
ホームセンターのガーデニングコーナーに行くと心和んで、
花の苗木を買ってみようかなどという気分になってしまうから不思議である。
まぁ、思ったところで「また枯らせるの?」のダンナの一言に
木っ端みじんに玉砕されてしまうわけだが・・・。


ウチの義母はとにかく植物の世話が大好きで、
4畳半ほどの広さの庭には、ソン所そこらの花屋さんよりも
たくさんの種類の草木がところ狭しと植えられている。
しかもそれらの半分があちこちから枝を分けてもらってきての
挿し木だったりするわけで、十分に手入れもされていて、
頭が下がることしきりである。

育児の手が放れたら少し真面目に草木の手入れを教わってみたい
とも思うのだが、おそらく思うだけで終わってしまうだろう。


そういえば、ウチの実家の猫の額ほどの花壇にも
ほとんど手入れのいらない「アロエ」が生えていた。
本当にたまに水をやる程度で、無造作に植えてあり、
類い希な生命力で他の植物の植わっているところまでどんどん浸食し、
しまいには花壇の半分がアロエになったと言うことも有ったほどだ。
かなりごつい風貌で特に美しい花が頻繁に咲くわけでもなく、
どちらかといえば嫌いな植物であったが、みなさんもご存知の通り、
アロエは保湿クリームに配合されたり湿布になったり
挙げ句の果てにはガンの治療にまで効き目があるという噂もあり、
その効力は周知の事実なわけである。
実際私の足にできた訳の分からない魚の目のようなイボも、
皮膚科に6ヶ月以上通っても治らなかったにもかかわらず、
アロエの葉を裂いて出てくるゼリー状の部分を
直接患部に貼り付けて、1ヶ月で治ってしまったという実績がある。

全く持ってアロエ様々なわけだ。





話は全く変わるが、







先日ダンナが足の親指の付け根がひび割れて痛いと言っていた。
家にいる分にはいいのだが、通勤で靴を履いて歩くと
どうも靴に当たってまた同じところが切れてしまうとぼやいていた。



傷口をしげしげと眺め

「クリームとかだとベタベタになっていややし・・・
あれ、あれでも貼っておくか」


「なんや?」

「う〜ん、なんて言ったかな、あの親知らず」

「親知らず? なんや? 親知らずって??」

「あったやろ、あのとげとげのサボテン」

「それって、もしかして『医者いらず』のこと言ってる?」






何でも治してしまうアロエは
巷では『医者いらず』と言われているわけだが






「おお!そうやそうや、その『医者いらず』
親知らずと似てるやろ?」





・・・似てるのは「らず」だけや。



毎日毎日会社に行って家族を養うべく働く家長の傷も心配だが
じっくり足を見入った状態で「親知らず」なんて言われたら、
ダンナの足には歯が生えているのかと、そっちの方が心配だ。



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